
新型コロナウイルスの影響による収入減、インフレによる物価の上昇、便利がゆえについつい増えてしまうサブスク契約、それでも預金金利は微々たる水準……。
なかなかお金を貯めにくい状況が続いています。
それでも生活していくにはお金が必要ですし、もしものときの蓄えがないのも心配ですよね。
今回はお金を貯めるコツが学べる書籍を5冊、紹介します。
貯めると聞くとまっさきに節約が思い浮かぶかもしれませんが、実はコツはそれだけではありません。また無理な節約は長続きせず、ダイエットと同じく「リバウンドムダ遣い」をしてしまいかねません。目標に向かって、無理なくお金を貯めていく力を身につけましょう。
お金が なぜか 貯まる「使い方」——お金のクセは心のクセ!

著者:こながいひでゆき
出版社:clover出版
お金が貯まるのはどんな人か知りたい人、お金を貯めるメンタルからととのえたい人におすすめです。
ポイント1:お金が貯まる考え方が身につく
著者は米国公認会計士やファイナンシャルプランナーの資格を有する、いわばお金のプロフェッショナルです。それだけではなく心理カウンセラーでもあります。そのため、本書はお金を貯めるためのメンタル面を重視して書かれている点が特徴です。
たとえば1,000円のランチにしても、人によって価値観は異なります。また何を食べるか、どのお店に行くのか、一緒にランチする人によっても、価値は変わるでしょう。この本はこうした「お金を使う価値基準」を見つめ直すきっかけをくれます。
貯金はノウハウも大切ですが、お金を使う基準をはっきりさせることでお金を貯められるようになると教えてくれます。
ポイント2:理想の生活に向けた道筋がつくれる
あなたにとって理想の生活はどんな生活ですか?
広い家に住みたい、週末はちょっとおいしいものを食べに行きたい、好きなブランドの服を身にまといたい…考えてみると「こんなふうだったらいいな」という希望がありますよね。
この本を読めば、理想の生活と今の生活のギャップに気づき、どうお金を使うべきか具体的に行動できるようになります。今のお金の使い方=お金に関する習慣を変える必要があると気づかせてくれます。
おじいさんは山へ金儲けに―時として、投資は希望を生む

著者:村上龍
出版社:幻冬舎文庫
この本は小説や物語が好きな人、投資にも興味がある人におすすめです。
ポイント1:日本の昔話をテーマにしていておもしろく読みやすい
本書の特徴は、桃太郎や一寸法師など誰でも知っているような日本の昔話をテーマにして、お金について学んでいける点です。
著者は「カンブリア宮殿」にも出演している村上龍氏。お話に出てくるたぬきの名前が「ヨーダ」だったり、エイリアンのような巨大な豆が出てきたりと、どのお話も一癖あるパロディーでどんどん読み進めてしまうでしょう。
投資の本はどうしても教科書のような堅苦しさがあります。また分かりやすい本となると子ども向けになるなど、社会人の初学者にとってちょうどよく読めるものはなかなか少ないといえます。
本書はカラフルなイラスト入りの物語によって読みやすさととっつきやすさに優れており、その後に書かれるお金のコラムも頭に入りやすい構成です。
ポイント2:投資の心得が学べる
物語のおもしろさもさることながら、お話の最後には経済評論家による投資のコラムが挟まれます。将来価値やリスクについての考え方など、初心者が知っておくべき内容がひと通り網羅されています。
投資についてしっかりと学びたい方には物足りないかもしれません。しかし「お金を貯めたら投資してみようかな」といった入門者には適切な1冊です。
『お金持ち列車』の乗り方 すべての幸せを手に入れる「切符」をあなたへ

著者:末岡よしのり
出版社:東邦出版
「大金持ち」のマインドに興味がある人、ロバート・キヨサキ氏が好きな人におすすめの1冊です。
ポイント1:「大金持ち」の考え方に触れられる
もしあなたがこれからお金を貯めるとしたら、まずなにをしますか?
節約でしょうか、それとも副業を始めるでしょうか。
最近は副業をする人も増えていますが、筆者は「時間を切り売りする副業はやめて、その時間と労力を本業に向けるべきだ」と説いています。
では「キャリアを積んで出世すればお金持ちになれるんだ」と考えてしまいそうですが、筆者によるとそれは「小金持ち」の考え。この本では「大金持ち」の考え方を教えてくれます。続きはぜひ、実際に読んで学んでみてください。
ポイント2:ロバート・キヨサキ氏の考えに触れられる
筆者の末岡氏は「日本のロバキヨ」とも呼ばれています。幼少期は風呂なしの市営住宅で過ごし、決して経済的に豊かであったとはいえませんでした。しかし現在は個人で1,000戸もの物件を保有する「ギガ大家」です。
大成功のきっかけとなったのがロバート・キヨサキ氏の「金持ち父さん、貧乏父さん」との出会いでした。日本でも有名な1冊ですが、もともと海外で書かれた本であるだけに少しなじみづらい部分があります。
筆者はロバート・キヨサキ氏の影響を受けた日本人であるため、本書では日本人によりフィットした形でロバート・キヨサキ氏の考え方に触れられます。
一生楽しく浪費するためのお金の話

著者:劇団雌猫、篠田尚子
出版社:イースト・プレス
本書はつい浪費してしまう人、趣味にお金を使いながら貯金もしたい人におすすめです。
ポイント1:ありそうでなかった斬新な設定に引き込まれる
会話形式で進む本書。登場人物は推し活に全力を注ぐ、いわゆる「ヲタ女」たちです。そこに登場するファイナンシャルプランナー篠田氏もみずからを浪費家と認めています。
たとえば好きなアーティストのライブ遠征、ファンクラブの会費、浪費と分かっていても使ってしまうことってありますよね。そして「こんなお金の使い方をしていていいのかな…」と不安にもなるでしょう。
趣味にお金を使っている方なら「分かる分かる」と共感しながら、まるで自分も会話に参加しているような感覚で読み進められるでしょう。
ポイント2:「浪費」との上手なつき合い方を学べる
やはり貯金というと、まっさきに「浪費」を削ろうと考えるのは自然なことです。趣味に費やすお金はたしかに浪費になっているかもしれないけれど、得られる幸福感を天秤にかけると難しい選択ではないでしょうか。
本書は「浪費はしてもいい」と、浪費を認めてくれています。むしろ「後ろめたい気持ちでお金を使わないで」とさえ書かれており、浪費を悪者としません。趣味にお金を使いたい方にとって「健全に浪費するための3つのルール」は必見です。
読んだら必ず「もっと早く教えてくれよ」と叫ぶお金の増やし方

著者:山崎俊輔
出版社:日経BP
自分のお金の使い方を整理したい人、すぐに実践できる貯金の方法を知りたい人におすすめの1冊です。
ポイント1:お金の流れを色分けして考えられる
お金はまず「入ってくる」お金=収入と、「出ていく」お金=支出に分けられます。本書はお金の流れをさらに細分化して、5つの観点でのノウハウを教えてくれます。
5つのカテゴリは、お金を得る(稼ぐ)、使う(節約など)、貯める、借りる、備える(投資など)です。それぞれなにをどうすればいいのか具体的に書かれています。
自分のお金を色分けでき、整理して、できるところから実践していける内容です。
ポイント2:すぐに実践しやすい
本書に書かれているのは保険や投資、住宅ローン、年金など、お金関連のほかの書籍でも触れられている内容だけではありません。たとえば使っている財布から銀行口座、ポイントカードのことなど、毎日触れる、より身近な内容を取りあげています。
保険の見直そう、投資を始めようといきなり言われてもなかなかハードルが高いものです。
本書を読んで、普段の生活ですぐに実践できる内容から徐々にステップアップしていきましょう。
まとめ
お金を貯めるといっても、アプローチの方法はさまざまです。収入を増やす、支出を減らすだけでなく、まず自分を見つめ直してメンタルをととのえるという方法もあります。
今回はお金を貯めるコツについて、異なるアプローチで書かれた5冊の書籍を紹介しました。ピンときたものから手に取って、ぜひ貯金を実現してくださいね。
今回紹介した書籍の要約はパーソナライズした「お金と投資」の学習アプリ「Bibro」にも搭載されていいます。ぜひ利用してみてください。