【失敗も糧に】投資で人生を変えたセカニチさん

投資に失敗はつきものですが、大損をするとそこで諦めてしまう方もいるのではないでしょうか?

インタビュー企画の3回目は「世界最速で日経新聞を解説する男」こと「南祐貴(セカニチ)さん」にお話を伺いました。独立したいという強い思いを持ち、投資に取り組んだセカニチさんの投資の失敗談や投資への向き合い方はこれから投資を始める人にとって参考になるでしょう。

失敗しても投資を続けられたワケ

チャイナショックで「700万円」の大損

-投資を始めたキッカケと勉強法を教えてください。

仕事を辞めたいという思いで投資を始めました。当時は社会人2年目で朝から深夜1時まで働き詰め。なんでこんなに働いているんだろう?と。そこで投資でお金を増やせば会社を辞められる!と思ったんです。

23歳で『インベスターZ』というマンガと出会い投資を始めました。『インベスターZ』では株を選ぶヒントは日常生活の中に隠れているという話があります。それを参考にコンビニの商品を見渡したところ、伊藤園『お~いお茶』の新俳句大賞が目に留まりました。「この取り組みはおもしろい!伊藤園の株がいいかもしれない」と考え、伊藤園の株を買ったのが初めての投資でした。それから株式投資に興味を持ち、より深く学ぶためには?と考え、日経新聞も読み始めました。

-成功体験と失敗体験を教えてください。

成功と失敗をほぼ同期に経験をしました。2014年頃は日銀の金融緩和と円安の影響で株式市場が好調、さらに当時は中国人観光客の爆買いでインバウンド関連の銘柄が活況だったんです。私も日経新聞やツイッターで情報を見ていたところ、象印が魔法瓶の販売で業績を伸ばしていることに着目し、象印の株を買いました。その他にもインバウンド関連に投資を行い大きな利益を得ることができました。

-インバウンド関連の投資で成功されたのですね。

はい。しかし喜びも束の間で、2015年チャイナショックの影響で株価が暴落。2016年の1月にもさらに暴落しました。これが人生最大の損失でした。その1か月だけで当時の手取り年収とほぼ同じ「700万円」の損失を抱えました。

投資を続けられたのは「現状を変えたい」という強い気持ち

-失敗した原因は何だと考えますか?

円安やインバウンドの影響などの「外的要因を受けて成長する企業」にしか投資をしてなかったことです。だから外的要因(チャイナショック)で大損してしまった。上昇は続くという思い込みと、銘柄を分散せずに集中的に投資をしていたことが失敗した原因だと思います。

-なぜ失敗しても投資を続けられたのですか?

上司に常に監視されている会社員としてのストレスを強烈に感じ、どうしても会社を辞めたかったんです。自分のプライベートの時間を全部使ってでも、現状を変えたいという思いが一番の原動力でした。自由になるには投資しかないと思っていたので続けられたのだと思います。

失敗・成功を経験し積立投資に行き着く

-失敗を経て投資方法が変わりましたか?

正直にお話すると失敗した後、信用取引を使ったギャンブルに近い投資法でお金を取り返しました。(ちなみに一風堂です。)信用取引はギャンブルなので絶対にマネをしないでください。成功したのはたまたま・偶然です。今思えば強い精神的ストレスがかかりましたし、もう信用取引はしたくないですね。損失を取り返した後は、真面目にコツコツ投資するしかない!という結論に至り、2016年からつみたてNISAを使って投資しています。

積立投資を選んだ理由は、投資の必勝法は「機械的に積立し続け、欲を排除すること」と学んだからです。歴史的に経済は右肩上がりに成長しているので、その成長に投資をすればいいのだと。一方で信用取引はギャンブルに過ぎず、再現性がある方法ではありません。成功はできないと感じたので失敗以降は信用取引の口座をスパっと辞めました。

-まさに波乱万丈という感じですね。その後始めた積立投資での投資先を教えてください。

つみたてNISAでは米国のS&P500指数に投資しています。米国株は過去を遡ってもパフォーマンスが良いですし、これからも経済成長に期待できる国ですから。

他にもマイクロソフトなど、米国の個別株にも積立投資しています。アメリカ株は意外と少額で購入することができ、マイクロソフトは3~4万円から購入できます。また、ネット証券のシステムを使えば毎月決まった日に機械的に積立で買うこともできます。

セカニチの初心者向けアドバイス

5000円でも「自分の人生のため」に投資できる

-投資資金を作るためにできることを教えてください。

投資資金がないと言っている人は考え方を改めた方が良いでしょう。1か月あたり5000円や1万円からでもつみたてNISAで投資はできます。

例えば、飲み会に参加すれば5000円くらい使うことも少なくないでしょう。投資資金がないと悩んでいる人は、その5000円を自分の人生のために投資に回すこと。少額でも始めることで社会に興味を持つ習慣を付けることができます。

証券口座を作って投資を始めれば嫌でも社会・経済ニュースを意識します。毎月、つみたてNISAで自動引落となる金額を計算して、少し出費を抑えようと考えるようになる。ニュースで経済情勢の話が流れてきたら、少し聞いてみようと耳を傾ける。少しずつお金に対する習慣が変わると思います。

暴落に振り回されない

-積立投資を行う際に気を付けることを教えてください。

「持ち続ける」というメンタルです。投資生活を続けているとリーマンショックのような暴落局面が必ずあります。しかし暴落は安いところで買えるチャンスなんです。毎月定額コツコツ買うのだから、株価が下がってくれたらむしろ嬉しい。上がっても下がっても、健康的な精神状態で毎日を過ごすことができます。

もちろん、S&P500など長期的に安定して成長が見込まれるものに限ります。歴史的に経済成長と物価の上昇により20~30年の長期スパンでは株価は上昇しつづけます。投資は長期で持ち続けることが成功のコツです。

正しいお金の知識を広めたい

-世界最速で毎日午前2時に日経新聞の解説をSNSで発信している理由を教えてください。

正しいお金の知識を持ってほしいというモチベーションで日々投稿しています。例えばインフレ。マクドナルドのハンバーガーの最安値が20年前で59円だったのが現在150円。また不動産では、東京都心の高輪で2500万円(20年前の新築)だったマンションが、現在は中古で5000万円以上に値上がりしているんです。

実は投資をしないこともリスクであると気付いていない人が多いんです。長期的にはインフレが起こることは歴史が証明しています。経済が成長し、歴史上物価は上がっている。コンビニのおにぎりが300円になる時代もそう遠くはない。投資を通じてインフレに備えることは間違いなく必要です。

何をしたらいいか分からないからと放置してほしくないんです。だからまずは証券口座を無料で作りましょう。日経新聞を読んで経済を知りましょうと日々発信しています。

-貴重なお話ありがとうございました。


南祐貴(セカニチ)

2012年大手広告代理店に入社。約6年の勤務後2018年にKoru-workers株式会社を設立。高輪ゲートウェイ駅近辺にて宿泊施設を運営。「世界最速で日経新聞を解説する男」として午前2時すぎに、日経新聞の解説を各SNSで配信。

Instagram

https://www.instagram.com/sekanichi_/

twitter

https://twitter.com/sekanichi__

自己紹介

https://note.com/sekanichi/n/ne3d24a5eb341

著書

『世界一面白くてお金になる経済講座』

※このインタビューは2022年10月7日に実施したものです

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