書籍名:『ETF(上場投資信託)の授業』 著者:石森 久雄 出版社:KADOKAWA
注目度上昇中のETF投資を、初心者向けに授業形式でイチからやさしく解説。自分で銘柄を選べないし、どれを買っていいのかわかないという初心者でも、本書の授業に沿って勉強するだけで、ETFの仕組みと経済の動きがたちまちわかるように。国内ETF投資術を身につけ、もっとやってみたくなった人のために、特別講義として「海外ETF講座」も収録!
注目度が上昇しているETF投資を初心者向けに解説している一冊です。ここではBibroで読むことができる要約の一部をお見せします。

ETFって何だろう
ETF(イーティーエフ/Exchange Traded Fund)とは、「証券取引所で売買される投資信託」のことで、「上場投資信託」とも呼ばれる。
いちばんの特長は、日経平均株価などの株価指数とほぼ同じ値動きをする(=連動する)ので、かんたんに「市場平均(株式市場の平均を表す数値のこと)」が買える点だ。
証券業界には、どんな投資信託でも長期的に市場平均を上回る利益を上げるのは難しいという常識があったが、ETFはかんたんに「市場平均」へ投資できるのだ。
ETFには「安心」「安価」で「かんたん」、かつ「夢」がつまっている。
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■安心:ETFは普通の株と違い倒産がないので、価値がゼロにならない
■安価:一流企業の株を買うには多額のお金が必要だが、ETFなら1万円もあれば好きな銘柄が買える
■かんたん:個別の株を買うときより必要な調査・研究が少ない
■夢:ETFの基本は長期投資であるから、国内ETF購入の際には日本経済の将来に夢をもっていることが前提となる
ETFのメリットやリスク
8つのメリット
ETFには8つのメリットがある。それぞれ詳しく見ていこう。
(1)インフレリスクを回避できる
インフレリスクとは、投資したおカネの増え方より、物価の上昇が大きく、おカネの価値が目減りするリスクのこと。
1970年から2000年までの30年の間、日本の物価平均は3.2倍になったが、預金していたおカネは2.3倍にしか増えていない。
一方で、日経平均株価は6.9倍に上昇しており、預金では回避できなかったインフレリスクを日経平均株価に投資していれば回避できていたということ。日経平均株価などの株価指数への投資はETFでかんたんに実現できる。
(2)安上がりに分散投資ができる
分散投資とは、複数の投資先(株や債券など)に分けて投資すること。損する危険性を減らす方法として、投資の基本とされている。
分散して投資すれば、そのうちの1つが値下がりしても、ほかの投資先でカバーでき、全体としての損を減らせるのだ。
ETFなら、ただ買うだけで分散投資ができる。たとえば「TOPIX連動型上場投資信託」というTOPIXと同じ値動きを目指すETF銘柄は、TOPIXとほぼ同じ1700の株銘柄を組みいれている。このETFを買えば、自
動的に東証一部上場の約1700社に分散投資したことになるのだ。
さらに、同じ分散投資でも、ETFは個別に1700社の株を買うよりも、ずっと安い金額で買うことができる。
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