書籍名:『バビロンの大富豪』 著者:ジョージ・S・グレイソン 出版社:グスコー出版
バビロンは古代世界で最も裕福な都市であった。バビロンの人々は、金の価値をきちんと認め、金を扱ううえでの「健全な原則」をまもっていた。それは、現在世界中で認められ活用されている「富の基本原則」である。
富を手に入れるための知恵が凝縮された一冊で、1920年代に執筆された本ですが、現在でも非常に説得力のある名著です。ここではBibroで読むことができる要約の一部をお見せします。

富をもたらす黄金の「七つの知恵」
バビロンの大富豪アルカドの教え
かつてバビロンにアルカドという名の大富豪が住んでいた。彼の莫大な富は、広く遠くの国まで知れ渡っていた。
アルカドは気前の良いことでも有名で、慈善事業に対して惜しみなく援助し、家族に対しても、自らに対しても金をけちることはないが、年を追うごとにその富は使う以上によりいっそう増えていく。
アルカドが富を築けたのは、若い頃に学んだ “財産を築くための原則”にある。その原則にはまず「稼いだものは、すべてその一部を自分のものとして取っておく」こととある。
稼いだ金は十分の一だけ最初に確保し、必要ならばこの十分の一のためにほかの支出を切り詰めることも厭わない。“その宝”が増えれば、生活に新しい楽しみが加わり、もっと稼ごうとさらに大きく努力するようになるという。
アルカドはその次に、「その宝を自分のために働かせること」が大切だと説く。宝を自分の奴隷にし、“その宝の子供たち”、“そのまた子供たち”にも自分のために働かせることで、将来のための収入を確保できるようになるという。
年を取った時の自分を想像して、宝を失くさないように、慎重に投資することが大切だが、時には危険な投資の誘惑にあうかもしれない。そうした危機から逃れるためには、金を扱うことを日々の仕事としている賢明な人間たちに相談することをアルカドはすすめる。
さらに、「生きている間は生活を楽しむこと」も重要だと付け加えた。収入に応じた生活をして、けちになったり、金を使うのを怖がったりしてはいけない。人生はすばらしく、価値のあるもの、楽しいもので心豊かになるものだ、と。

七つの知恵
アルカドの富を築くための知恵は、バビロンの人々へ黄金の「七つの知恵」として伝えられた。
第一の知恵 財布を太らせることから始めよう
財布に十枚のコインを入れたなら、使うのは九枚まででやめておく。するとすぐに財布はふくらみ始める。財布の重さは満足感さえも与えてくれるのだ。
第二の知恵 自分の欲求と必要経費とを混同するべからず
金を使う時には、それが百パーセント使う価値があるものでなければならないことを意識する。そして、支払える範囲で叶えることができる欲求だけを選び、収入の九割の中で支出のための予算を組むこと。それは財布を太らせる過程を守ることにもなる。
第三の知恵 貯めた資金は寝かさずに増やすべし
財布の中の金は、持っているだけでは何も生み出さない。人にとっての財産とは、財布の中にある金ではなく、しっかりとした定期的収入である。貯めた金は最後の一銭にいたるまで働かせること。そうすれば、財布には途切れることなく富が流れ込んでくる。この「金の流れこそ財産」である。
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