
日々の買い物等でTポイントや楽天ポイントなどを貯めているという人も多いでしょう。そうして貯めたポイントを使って投資できる「ポイント投資」が人気を集めています。
年々、利用者が増えており、例えばPayPayとPayPay証券が提供するポイント運用は2022年3月に利用者数が600万人を突破しました。
そして、ポイント投資が実際の投資を始めるきっかけになっているケースも少なくありません。本記事ではその理由と共に、ポイント投資の特徴について解説します。

ポイント運用が実際の「投資」をはじめるきっかけに
ポイント投資がなぜ実際の「投資」を始めるきっかけになっているのか、ポイント投資の特徴やアンケートデータ共に見ていきます。
そもそもポイント投資・ポイント運用とは?
ポイント投資とは現金ではなく、Tポイントや楽天ポイントなどのポイントを使用して投資することです。ポイント投資は2種類あり、「ポイント投資」と「ポイント運用」に分けられます。
「ポイント投資」はポイントを現金に変えて投資を行います。引き出す時も現金として引き出すことができます。対して「ポイント運用」はポイントのまま投資を行います。引き出す時もポイントで引き出します。
ポイント運用をはじめた理由
身近になりつつあるポイント投資は、投資未経験者が始めているケースも少なくありません。グローバルファイナンシャルスクールによる調査では、ポイント投資を行っている人のうち、約半数が投資未経験者でした。
その投資未経験者たちの「ポイント投資を始めたきっかけ」を見ると、約40%が「なんとなく試したくなったため」と、気軽に取り組んだことがうかがえます。

(参照:グローバルファイナンシャルスクールの「ポイ活」「ポイント運用」調査2に基づき当社作成
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000062123.html)
ポイント投資は、株式投資や投資信託といった一般的な投資とは異なるイメージを持っているのかもしれません。
ポイント運用を経験後した人は投資について前向きになれる
さらに、先ほどの投資未経験でポイント投資を始めた人の中には、現金を使った投資を前向きにとらえる傾向にありました。
ポイント投資を行った約半数が「投資した」または「投資を検討」しており、投資に興味がある人に限れば90%の人が現金での投資に好意的に考えています。

(参照:グローバルファイナンシャルスクールの「ポイ活」「ポイント運用」調査2に基づき当社作成
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000062123.html)
ポイント投資は気軽に利用でき、投資への興味を湧かせ、投資を始めるきっかけになっている人も多かったことが分かります。
投資を始めてみたいが、なかなか一歩を踏み出せないという人はポイント投資からスタートしてみることも検討できるでしょう。
では、ポイント投資・ポイント運用にはどんな特徴があり、どのように取り組めばよいのか。その詳細を以下で紹介します。
ポイント投資、ポイント運用のメリット・デメリット
ポイントの有効活用ができるポイント投資・運用のメリット・デメリットを紹介していきます。
ポイント投資・ポイント運用のメリット
- 現金を使わずに投資ができる
- ポイントを有効活用することができる
- 少額から投資をすることができる
ポイント投資の最大のメリットは、現金を使うことなく気軽に投資できることです。前述の調査にあったとおり、投資未経験者でも「ポイント投資はなんとなく始められる」という人は多かったです。元手が現金ではなくポイントだから心理的余裕を持てる、という人もいるのでしょう。
また、ポイント投資は買い物で貯まったポイントを、有効活用することができます。
さらに株や投資信託などに少額から投資することができます。自分に合う投資先を色々と試しながら探すことができます。
ポイント投資・ポイント運用のデメリットと注意点
- 証券口座の開設が必要(※ポイント投資のみ)
- 貯めたポイントが減る可能性がある
- 投資の選択肢が少ない
ポイント投資の場合、証券口座を開設する必要があります。ポイント運用の場合は証券口座を開設せずに運用を始めることができます。
ポイント投資・運用はポイントを増やすことができますが、もちろん減ってしまう可能性もあります。ポイントだからといって適当に投資をせず、今後に活かすためにも投資先の選定などはしっかりしましょう。
一般的にポイント投資の対象となる投資商品は、国内株式か投資信託です。外国株式などは対象外としている証券会社も多いです。また、購入方法が限定されている会社もあるため、気になる人は利用する前に証券会社で取り扱っている投資商品を確認しておくと良いでしょう。
ポイント投資・ポイント運用の投資先
ポイント投資・ポイント運用で投資できる商品を紹介していきます。
株式に投資をする
トヨタやANAといった企業の株式を購入することができます。
株式投資は100株単位で購入することが一般的ですが、100株未満の1株から購入できるサービスを用意している証券会社もあります。
また、1株でも株主優待を受けることができる銘柄もあるため、興味のある人はそうした株から探してみるのも良いでしょう。
投資信託に投資をする
投資信託もポイントで投資できる金融商品の1つです。投資信託は株式をはじめとした様々な種類の投資商品を投資のプロが運用してくれる商品です。多くの証券会社では100円から購入することができるため、投資金額が調整しやすいのも特徴です。
証券会社ごとに取り扱っている投資信託は異なり、リスクが高いもの・低いものがあるため、自分に合った投資信託を選ぶとよいでしょう。
ポイント運用は「コース」から選択
ポイント運用では「積極型」「バランス型」「安全型」などのコースから投資先を選択します。
イメージとしては、「投資信託」のように投資商品をパッケージ化したものが近いでしょう。
ポイント投資のコツ
ポイント投資を行う上で、どんなことに気を付ければよいか。ここでは簡単な注目ポイントを紹介します。
知っている企業の株・興味のある投資信託などから買う
ポイント投資は難しく考えず、「とりあえず始めてみる」感覚でスタートすることがコツです。例えば知っている企業の株を買う、または興味のあるジャンル(ITやエネルギーなど)の投資信託から買う、などでも良いでしょう。
投資を始める際は安い時に買うのが基本です。しかし、投資初心者の方は「もっと下がるかも」「もうそんなに上がらないかも」と考えてしまい、投資をする一歩が踏み出せないということがよくあります。
投資をしてみて分かることもあるため、思い切ってトライしてみましょう。
ポイント投資の引き出し方を決めておく
ポイントを引き出すタイミングは投資した商品の値段が高い時です。「この値段まで上がったら引き出す」など目標値を決めておくとよいでしょう。
引き出した後にさらに値段が上がっても「目標の価格で引き出すと決めたから」と納得できるでしょう。売り時を逃して「あの時手放しておけば」とならないように気を付けましょう。
元手のポイント数を増やす
元手のポイント数を増やすことにも注目すると良いでしょう。
例えば投資商品を100円で購入し、投資した商品の値段が10%上昇しても、10円しか増えません。投資金額が10000円であれば、1000円増えます。
ポイント投資は少額で始められるメリットもありますが、投資の勉強として考えるなら、元手は少し多めの方が「投資」を実感しやすいでしょう。
ポイント投資に対する税金
ポイント投資は一般の投資と同様に株を売って出た利益と配当金に対して税金がかかります。利益に対して所得税15%、住民税5%に復興所得税(2037年まで適用)を加えた20.315%が徴収されることとなります。
一方でポイント運用に対する利益は一時所得の扱いとなります。一時所得は特別控除額というものがあり、運用益が50万円以下の場合は所得税がかかりません。ポイント運用の運用益が50万円を超えることは滅多にないため、確定申告が不要となることが多いです。
まとめ
ポイント投資やポイント運用でも実際の相場と似たように値段が上下するため投資の練習としては適しています。
投資になかなか一歩が踏み出せていないという人は、ポイント投資から始めてみてはいかがでしょうか?